プラント工事がわかる!仕事や取り巻く環境を解説

プラント工事がわかる!仕事や取り巻く環境を解説
プラント工事がわかる!仕事や取り巻く環境を解説

プラント工事の仕事や取り巻く環境を解説します。

プラント工事とは

プラント工事とはプラントと呼ばれる「生産設備」を作る工事のことです。
海沿いの工業地帯などで、非常に多い配管や大きなタンクが並んでいる設備を見たことはありませんか?
それらの生産設備をプラントといい、石油やガスなどのエネルギーや化学製品、食品など様々なものを作っています。中には最近の重要な課題である環境問題に関わるプラントもあり、それらのプラントを作るプラント工事に注目が集まっています。
プラントは一般的な工場とは違い、複数の設備を持っているため工事の規模も多く、2021年のプラント工事を請け負う日本企業の受注額は5兆円以上でした。それだけ大きな金額が動く業界です。
日本でのプラント工事の需要もありますが、世界でも需要が高く、アジアやオセアニア、アフリカなどではさらに多くのプラント工事が行われています。

プラントの種類による工事の違い

プラントの種類による工事の違い

世界の様々な地域で行われているプラント工事はニュースなどで取り上げられることも多く、石油やLGガスのプラントを映像などで見たことがある人も多いのではないでしょうか。実はプラントの種類には、注目されがちなエネルギー関連のプラントだけではなく、他にもいろいろな種類があります。
大きく分けると「産業系プラント」「石油化学系プラント」「環境系プラント」の3種類です。
それぞれのプラントで生産されるものも違い、設備も大きく変わってくるため、必要な技術や知識が違います。
それではプラントの種類別に見ていきましょう。

産業系プラント

産業系プラントは食品や飲料品、医薬品、化学製品、金属、セメントなど、工業の材料の素材から私たちが日常的に使う製品まで、生活に必要不可欠なものを生産するプラントであり、生産物に応じた配慮が必要となります。
例えば工業製品に関わるプラントであれば、生産物が効率よくできあがることや、コスト削減が実現できるような設計・工事をします。
また食品や医薬品などのプラントでは衛生管理に関わる工事が非常に重要で、無菌室や衛生的な施設の工事を行うため、衛生管理の専門知識が必要不可欠になります。細菌や異物混入を防ぐことに留意した設計・工事も必須です。

石油化学系プラント

石油化学系プラントはガソリンや灯油、LPガス、ナフサを生成するなど、身の回りにある多種多様な石油化学製品を生産しています。
例えばプラスチックやゴム製品の原料となる物質や、水素や塩素、合成繊維の原料などです。
石油化学系プラントの特徴は、多くの工程の中で、様々な副産物が生成されるため、不要なものを除去し、製品を精製するための工程が非常に長いことです。そのため様々な機器の運転操作や設備導入が欠かせません。
それ故、石油化学系プラントの工事は多岐にわたる技術と知識が求められます。何らかの異常が原因で火災や爆発につながる危険性もあるため、安全基準に対する知識はもちろん、リスク回避のシステム構築が大事になります。そのため、電気・計装関連の技術も大変重要な位置づけにあると言えます。

環境系プラント

環境系プラント

環境系プラントは食品廃棄物や廃プラスチックなどの廃材、また汚水などを処理し、あるいは再資源化することを行っています。
今や環境問題は、世界全体で深刻化しており、エネルギー効率の向上や有害物質の抑制などの課題を解決できる環境系プラントは世界でも必要とされています。
環境系プラントの工事には、下水処理場や廃棄物処理場、更には再生可能エネルギーを利用した発電施設の建設などがあります。近年では、これらの施設で排出された熱エネルギーを回収して利用したり、副産物を資源として再利用したりする機能を持ったプラントが増えています。大気汚染や水質汚濁など、環境に対する知識をしっかりと持っていれば、環境系プラントの工事に生かすことができます。

プラント工事の仕事

プラント工事は規模が非常に大きいため、業種別に多くの会社が関わります。
プラントの工事を受注し設計や管理をする会社もあれば、プラントで使う機器を納品するメーカー、工事を行う施工会社などがあります。
これら複数の会社が協力しながらプラントの工事を進めていきます。携わる人員も多くなるため、プラント工事の仕事は技術や知識だけなくコミュニケーション能力も必要となります。中でもプラントエンジニアリング会社や工事会社は、プラント工事の中心的な役割を担っています。

プラントエンジニアリング会社の仕事

プラントエンジニアリング会社は、主に「EPC事業」と言われるビジネスモデルをとっており、プラント工事を一括して行う会社です。
EPCはEngineering(設計) Procurement(調達) Construction(建設)の略称で、プラント工事の様々な分野に関わっていることが、この言葉からわかります。
プラント工事はプラントを作りたいと考える会社が、プラントエンジニアリング会社にプラント工事を依頼することからスタートします。
プラントエンジニアリング会社は依頼元の会社に工事内容のヒアリングを行った後、積算し、受注となれば資材の調達や工事会社とのやり取りを行って、工事の段取りを進めていきます。プラントエンジニアリング会社の仕事は、設計、工事の管理などを行っていくことが一般的であり、多くの社内外の人と協力し合ってプラント工事を請け負っていきます。

プラント工事会社の仕事

プラントエンジニアリング会社から依頼を受けて工事を行うのがプラント工事会社です。
できあがった施工図面をもとに、配管や機器の設置や建屋の工事を行っていきます。

プラント工事は土木工事や建築工事、配管工事、保温工事、電気工事など、細かく工種が分かれており、必要な資格も異なるため幅広い人材が必要です。
加えて、大きなポンプやモーター、ボイラーなどの様々な設備機器の据え付けが重要な仕事の一つとなります。大きな機械や重量のあるものを搬入・設置するには、より専門的な知識と技術、さらには経験が必要となります。
また搬入された機器を設置するための架台工事や、維持管理のために必要となる点検歩廊等の点検設備を設置することもプラント工事の範疇となります。
配管工事では、「給水配管」「ガス配管」「空調配管」「防災用設備配管」など多種多様な配管を対象とした工事があります。
特殊で危険な作業を行うこともあり、特別な資格が必要になる場合もあります。それぞれの配管工事で必要な知識が違うので、それらの専門知識を持っている企業や人材は大変重宝されています。
製缶工事は、気体や液体を貯めるタンクや塔槽類を製造し、設置する作業のことです。⾦属板などを加工し、中身が漏れない容器の製造を担っており、金属を溶接加工したり、立体的に組み上げる等、技術を駆使して対応していきます。
他にもそのプラントの種類によって様々な工種が存在しています。

プラント工事業界の動向

プラント工事業界の動向

日本では高度成長期から多くのプラント工事が行われてきました。現在も様々な会社がプラント工事を請け負っており、経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査(2022年7月19日公表)」によると、2021年のプラント工事の受注高は5兆8397億円です。
最近のプラント工事業界は、日本では石油化学プラントやバイオマス発電所の受注があったり、海外ではLNGプラントの増産や化学肥料プラントの受注があったりと、少しずつですが伸びています。プラント工事が行われるかどうかは、主な顧客である資源を扱う会社の動向に左右されます。近年は石油関連の会社が新規のプラント工事を抑制しており、やや減少傾向です。
一方、電力プラントや化学プラントの工事数は多く、特に化学プラントの工事数が大きく伸びています。産業プラントや化学プラントは国内だけでなく海外での需要も多くあり、日本のプラント工事に関わる会社は、海外でも多くのプラント工事を受注してきました。
さらに最近では新興国でもプラント工事が増えたり、世界で環境問題の意識が高まったことから環境系プラントの工事が増えたりと、これからも世界のプラント工事需要は多くあると考えられます。
2020年10月に日本政府が2050年までに「カーボン実質ゼロ」を掲げました。そのため、これからは再生可能エネルギー分野のプラント工事に注目が集まっていくはずです。
また高度成長期に建設された既存のプラントは既に老朽化しており、現代に則した環境対策も必要となっています。
新たな分野への挑戦と共に、現在のプラントが抱えている課題を解決していくことも、日本のプラント工事会社には期待されています。

まとめ

日本をはじめ、世界の産業を支えるプラント工事は、これからも増えると考えられます。
エネルギー資源の変化により、必要とされているプラントは変わっていきます。
また世界が環境問題に大きな関心を寄せる今、日本の環境系プラント工事ができる会社の役割がとても重要になっていきます。世界中で環境系プラントの工事が行われるようになれば、日本のプラント工事会社は事業を伸ばす大きなチャンスとなります。
そして日本国内でも既存プラントの改修工事や、新しい時代に即したプラントの工事が行われていくでしょう。
プラント工事は非常に大きな事業ですが、その工事を支えるのは技術と知識を持った一人ひとりの仕事です。高度な技術としっかりとした知識を持った人々が働く日本のプラント工事業界はまだまだ大きな伸びしろがある業界です。

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